5分でわかる、各職種の転職術
広報・PRの転職

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『広報・PR』とは、
自社製品のPR活動を行う仕事。

化粧品業界の広報・PRとは、4大マスメディア(テレビ・新聞・雑誌/書籍・ラジオ)やネットの記事に、自社製品が魅力的に取り上げられるよう工夫を凝らす部門。『広報・PR』または『プレス』と呼ばれることも。広報・PR担当が変わっただけでブランドの認知度が激変することもあるという。花形職種の一つ。女性がほとんどを占めている。

広報・PRの仕事内容

商品を広く消費者に認知させるための手段は、雑誌やテレビで取り上げてもらう、マス向けに広告・CMを打つことなどが挙げられます。広報・PRが担うのはこのうちの前者。後者のような予算を掛けたプロモーション全般は広告宣伝部が担います。
広報・PRの仕事内容は、新商品をリリースする際、どんな広報戦略を採るか立案するところから始まります。その後、出版社や各媒体に対し、プレスリリースや電話を使って商品の告知活動を行い、取材や撮影などに対応し、商品が魅力的に掲載されるまでをプロデュースします。
具体的な仕事内容は次の通り。

  • PR戦略の立案
  • プレスリリース作成、発信業務
  • テレビ・新聞・雑誌など、各種メディアとのやりとり
  • 取材の立ち会い
  • 各種メディアの効果検証(記事スクラップ、クリッピング)

※5つ目の「各種メディアの効果検証(記事スクラップ、クリッピング)」は、自社商品やベンチマーク商品の掲載された記事を収集し、スクラップ・ファイルにまとめる作業です。新人は主にこの作業から仕事に慣れていくと言われています。

なお、広報・PRには、株主や消費者に向けて企業の取り組みそのものを広報する部門も存在しますが、今回は製品のPRを行う職種に絞って解説していきます。

広報・PRの求人数

広報・PRは、少数精鋭の部門につき、求人の絶対数は決して多くはないものの、コンスタントに募集は出ています。傾向として、経験者を対象とした欠員補充が多めですが、売上が伸びている企業では、増員募集も見られます(最近ではオーガニック系の求人、少し前ではノンシリコンシャンプーを扱うメーカーなど)。今後も景気の進退と共に、求人は増減することになるでしょう。

また、広報・PRは、莫大な広告費と紐付いた広告・宣伝チームとは異なり、予算を掛けずに商品を啓蒙することができる部門。そのため、企業がより売上を伸ばしたいタイミングで、商品企画のように優先的に募集が掛けられる傾向にあります。

広報・PRの転職 こんなスキルがあると有利

広報・PRにとって重要視されるのは、各社の編集部との取引実績です。
『美容三誌』にコネクションがあることはもちろん、各誌の編集長に対してパイプがある場合、それだけでかなりの高評価に繋がるでしょう。企業や面接官によっては、面接で単刀直入に「編集長何人知ってる?」と聞かれることもあります。

また、web媒体やブログが大きな発信力を持つようになった近年では、雑誌社のみならず、芸能人や人気ブロガー、美容ライターといった人々とのコネクションも重要視されることが多くなっています。

広報・PRの履歴書や職務経歴書、
面接時に工夫すると差が付くポイント

  1. 掲載実績(数×媒体力で人脈をアピール)

    先述の通り、雑誌社との取引実績が評価に繋がるこの職種。職務経歴書では、幅広い媒体に人脈があることを伝えられるよう、自身が掲載に導いた媒体の実績を「出版社・雑誌名・号・商品名」の形で箇条書きにしてリストアップしていきましょう。相手が見やすいよう、「2013年実績」「2014年実績」と1年ごとに区分けすると親切です。

  2. 証明写真で華やかさを伝える

    また、証明写真もスーツよりビジネスカジュアルで、全体的に華やかさが伝わるようメイクや撮影環境にも工夫を。スピード写真でも問題ないものの、できることなら、プロの写真館を使うなど、明るい雰囲気が伝わるよう配慮を。

  3. ハードな業務にも対応できることをアピール

    華やかな印象もありますが、実際はかなりの体力勝負。案件によっては「朝5時から撮影の立ち会い」「外資系企業なので深夜まで本国とメールをやりとり」と、生活が不規則になることも。臨機応変に対応できるという印象を与えられるよう、面接ではできるだけハキハキとした振る舞いを。

広報・PRの転職理由

広報・PRに多い転職理由は大きく分けて次の3つです。順に説明していきましょう。

  1. 人間関係への不満

    チームのメンバーと価値観が合わない、マネージャーが仕事を回してくれないなど…人間関係に起因した仕事のやりにくさを感じた際。

  2. 待遇面の不満

    花形と言われる職種ですが、全体的な給与相場は決して高めではありません。残業や早朝・深夜の仕事も発生する大変さから、給与または勤務時間に対する改善を求めることも多いです。

  3. より良い商品への憧れ

    これまでの経験を武器に、より自分の好きな商品や憧れのブランドに関われる会社へ転職したい、というもの。

広報・PRは狭き門。初めからベストな会社・環境で携わりたかった商品を担当できる、ということはごく稀です。広報・PRのキャリアアップでは、管理職に就くことと並んで、転職によって様々な環境で経験を積みながら希望の職場・最愛のブランドに近づいていくことが多い傾向にあります。

広報・PRの企業選びのポイント

自社の商品をメディアに売り込むこの仕事では、製品への思い入れが大切と言われています。いくら給与や労働環境が良い会社でも、自分が使ったこともない商品や、魅力を感じられない商品では、広報活動にも支障が出てしまいます。転職サイトや人材紹介会社で知らない企業の求人と出逢ったら、そこの商品を自分が愛用できそうかどうかを真っ先にシミュレートしてみましょう。

また、入社後に自分が担当する業務の内容を把握しておくことも重要です。中でも、雑誌社とどれくらい取引経験があるのかは、忘れずに確認を。取引実績が豊富な企業と皆無な企業とでは、当然、プレス業務のあり方も変わってきてしまいます。また、数名のチームに配属となる場合、全ての業務に携われないことも多いため、自分の職務範囲が何なのかをあらかじめ確認しておきましょう。

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