販売チャネルごとに理解

解説 化粧品業界の販売チャネル

化粧品の販売チャネルは、主に
百貨店化粧品バラエティコスメ通販化粧品の3つにわかれます。
ここでは、それぞれの販売チャネルの特徴や転職のしやすさなどを解説していきます。

百貨店化粧品

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  • 百貨店化粧品の業界規模
  • 百貨店化粧品業界の歴史
  • 百貨店化粧品業界の今後の展望

百貨店化粧品の業界規模

2012年度、百貨店で流通した化粧品売上高は、2164億6500万円(昨対比2.1%アップ)。同年の化粧品業界全体の規模は3兆3440億円ですから、そうそうたるブランドが並ぶわりには、やや少なめな印象を受けます。これは、単純に百貨店の数よりも、バラエティコスメが流通するコンビニ・ドラッグストアの数の方が圧倒的に多いからです。商品単価は高いものの、全体的な売上はバラエティコスメが牽引しているのが現状です。百貨店化粧品は、そのきらびやかな存在感で、業界全体のイメージ的な部分を牽引していると言えるでしょう。

百貨店化粧品業界の歴史

1970年代まで、国内企業が百貨店での化粧品の売上げの多くを占めていた日本の市場。70年代後半にクリニークが上陸し、カウンセリング販売やブランドイメージを前面に押し出した店舗設計など、現在の百貨店化粧品の販売スタイルを確立するや大流行。1980年代はクリニーク全盛期と言われていました。
その後、90年代はバブル景気も手伝って、海外輸入ブランドの大ブーム。人気を博したCLINIQUE、CHANEL、Parfums Christian Dior、CLALINS、ESTEE LAUDER、LANCOMEは4C1E1Lと呼ばれていました。また、この頃からメイクアップアーティストのブランドが人気となり、ブーム沈静後の現在も、RMKやM・A・C、ボビィブラウン、スティラ、ナーズなど一部のアーティストブランドは根強い人気を誇っています。

このように順調な歩みを遂げてきた百貨店化粧品業界ですが、ここ数年は、リーマンショックに震災が重なったことで売上が一時的にダウン。ですが、「化粧品は不況知らずの業界」と言われるように、2011年度には早くも以前と同等の水準にまで回復しています。中でも、資生堂、シャネル、ディオールの百貨店化粧品トップスリーは、数%のプラス成長を遂げています。

百貨店化粧品業界の今後の展望

化粧品業界は、国内の女性人口に比例するため、百貨店化粧品が今後爆発的に飛躍することはありません。これまでも男性顧客を増やす試みがなされてきましたが、日本人の気質や体質、および既婚男性の経済事情などの要因から、海外市場ほど男性用コスメが売れないというのが現状です。限られたパイを通販化粧品やバラエティコスメといった他のチャネルと取り合う中で、いかに市場を伸ばしていけるかが鍵となります。ブランドイメージや高級感の維持のため、安易な値下げができない同業界では、消費者心理の変化を反映した販路の拡大や新たなブランドの立ち上げで、特に若者層へのアプローチを強めています。

具体的には、2012年より始まった百貨店・大手スーパーでのセルフ化粧品販売(「フルーツギャザリング」など)や、資生堂の「ワタシプラス」に代表されるようなネット上でカウンセリング、一部ブランドのネット購入サイトなどが挙げられます。先述の通り、クリニークが80年代に始めて以降、百貨店化粧品には専門知識を持つ美容部員による、カウンセリング販売がつきものでした。ところが、近年、スマートフォンや口コミサイトの台頭により「良い商品を自分で選んで購入したい」主体的な消費者たちが台頭。カウンセリング販売以外の販売スタイルを設けることで、こうした消費者心理の移り変わりに対応しようとしています。

また、長らく見られなかった大型の新規参入ブランドの台頭も、近年注目されているところです。特に下記の3ブランドの躍進ぶりはめざましいものがあります。

ポーラグループ

THREE

コーセー

ADDICTION

LVMHグループ

MAKE UP FOR EVER

中でも『MAKE UP FOR EVER』は、もともと舞台や映画業界で使われていたプロフェッショナルメイクのブランド。本来であればなかなか日常遣いの難しい、アバンギャルドなラインが特徴的なこのラインが人気を博すようになったのも、SNSやメディアの発展により、かつては単なる憧れの存在でしかなかった海外セレブスターたちが「模倣したいファッションアイコン」として受け止められるようになった、という消費者心理の変化に要因があると言われています。

このように、ネットの発展に伴って、化粧品業界にも大きな消費者心理の変革期が訪れています。そうした変化に対応しながら、多くのブランドが目指すのは、まずはメイク商品に興味を持ってもらうこと。そしてブランドのファンを増やしていくことで、最終的には長期的な使用が見込まれるスキンケアの購買層を増加させたいという狙いがあります。

『百貨店化粧品』の解説(全3回)

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