解説 化粧品業界の販売チャネル
通販化粧品

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

通販化粧品の業界規模

2012年度の通販化粧品の業界規模
…5439億8300万円

化粧品業界全体の売上3兆3440億円、百貨店化粧品の2164億6500万円と比較すると、バラエティコスメに続いて大きな規模を誇っていることがわかります。

また、2011年~2012年の売上推移を比較しても、化粧品業界全体が0.4%アップに留まる中、7.2%の伸び率を記録。ここ数年のデータを見ても右肩上がりの成長が続くなど、通販化粧品業界は、現在最も景気の良い業界と言われています。

通販化粧品業界の歴史

1989年代後半、宅配便サービスの発達に伴い、通信販売ビジネスが起こりました。1990年代にはセシールやニッセンなど、現在も残る大手通販企業が台頭。こうした流れに乗るように、化粧品も通信販売で取り扱われるようになりました。

当初は海外からの並行輸入品などが人気を博していた通販化粧品。その流れを大きく変えたのは、対称的な二社、ファンケルDHCでした。

ファンケルは、在庫を持たない通販の強みを活かし、無添加の化粧品を販売。当時の化粧品は長期保存のために防腐剤が使われるのが当たり前。この防腐剤が原因とされる肌疾患が取りざたされていた当時、ファンケルの化粧品は社会現象を巻き起こしました。

一方DHCは、オリーブオイル由来の化粧品を武器に、試供品提供と消費者の口コミを利用した、巧みなバイラル・マーケティング・スタイルを確立。現在の通販化粧品業界のプロモーション手法の基盤を作り上げたと言われています。

その後、コールセンター機能を請け負うテレマーケティング会社の台頭により、通販化粧品の参入障壁はますます低くなりました。当初はテレビのショッピングチャンネルやCM、雑誌が業界の中心でしたが、2000年以降、インターネット、電子マネーおよびクレジット決済サービスの発達とともに、主戦場はweb上へ。Amazonやアットコスメなどの総合サイト内はもちろんのこと、各会社がECサイトを立ち上げ、年々競争は激化しています。
また、最近ではアットコスメをはじめとした化粧品の口コミサイトの影響が大きくなっています。

通販化粧品業界の今後の展望

通販化粧品業界は、先述の通り、テレビ・新聞主体からインターネット中心に変遷しながら、業界規模を拡大してきました。今後予想されるのは、成長が横ばいとなった百貨店化粧品のメーカーが、通販化粧品に参入していくことでしょう。

近年、資生堂は初のECサイト『ワタシプラス』をオープン。自社製品を多く取りそろえたショッピングモール型のサイト構成で、これまで販売員を通じてしか買えなかった商品に、直接、消費者が手を伸ばせるようになりました。他にもYves Saint LaurentやLANCOMEといった大手百貨店化粧品ブランドも続々と自社ECサイトを立ち上げています。

今後は、ますますインターネットで買い物をする消費者が増えると言われています。第1類・第2類を含む医薬品の通信販売が解禁になったこと、スマートフォンの普及が進んでいることなどがその理由ですが、こうしたネット通販全体の盛り上がりを受けて、通販化粧品業界もさらなる飛躍を遂げるものと見込まれています。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

『通販化粧品』の解説(全3回)

化粧品業界の転職トピックス 一覧ページへ