5分でわかる、各職種の転職術
商品企画の転職

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「激務に疲れたので少しペースを落として働きたい」「作りたい化粧品が今の会社ではできない」

『商品企画』とは、
化粧品の企画を行う職種。

アイディアやマーケティングデータから新たな化粧品のコンセプトを作り出し、様々な部署・外注先と連携しながら商品開発を進めていく。

マーケティング部門と連携を取ることが多いが、企業によっては、マーケティング職を兼務することも。「9割以上が女性」と言われるほど女性比率が高い点が特徴。

商品企画の求人数

化粧品づくりの主要部門である商品企画は、まさに企業の売上に直結するセクション。営業と並び、業界では最も求人が豊富な職種です。リーマンショック時にも、他職種に比べると求人数の減少が軽微だったように、もともと不況の影響を受けにくい化粧品業界内でも、最も安定的に募集が行われています。

募集の背景は、下記の二通りがほとんどを占めています。

  • 欠員補充
  • 「良い人が居たら採用したい」という通年採用

大量募集を行う企業があるというよりも、1~2名の募集枠で、たくさんの企業が採用を行っているために、全体の求人数が多くなっています。成分や効果などといった人気の商品の傾向など…市場の動向と密接にリンクする職種ですから、今後も盛り上がりを見せている分野を中心に、活発な採用が行われていくでしょう。

商品企画の転職 こんなスキルがあると有利

1つは、言うまでもなくヒット商品を生み出せる嗅覚とアイディア力。そしてもう1つは、これまでに行ってきた仕事の“幅”。要するに、1つの商品を開発する上で、どれくらい中心的な役割を担っていたか、です。

企業によって、商品企画の仕事領域は異なります。企画資料づくりがメインという方も居れば、マーケティングや販促部門の業務まで包括的に取り組んできたという方も居ます。また、全ての業務にアシスタント的に携わっていた…ということもあるでしょう。化粧品づくりをたった1人で行ってきた…とまではいかないにしろ、1つの商品を作る上で、できるだけ中心的立場で幅広い役割を担ってきたという経験は、多くの企業で評価されます。

この他にも、同時にいくつのプロジェクトを回していたか…“量”から、マルチタスク力を見られることも。最終的には、「仕事の量」×「仕事の幅」のバランスで判断されることの多い職種です。

商品企画職の履歴書や職務経歴書、面接時に工夫すると差がつくポイント

普段は役員や上長を相手にプレゼン慣れしていても、面接となると、常識や慣習に囚われて、思うように振る舞えない人も多いのでは?

前述したアイディア力や「仕事の幅」とは、一般的な履歴書・職務経歴書だけでは伝えることが難しい部分です。企業から求められている資料だけを提出し、「あとは推して知るべし」というスタンスでは、あなたの魅力が伝わりきらないことも多いでしょう。

履歴書や職務経歴書に加えて、実際の商品や企画書も見せること。その上で、「どのような仮説プロセスを経て化粧品を企画し、結果どれだけのヒットを生んだのか」といったアピールを行っていくと効果的です。

実際に、各企業の面接官(人事担当者や商品企画の部門長)へリサーチを行ってみても、「直接会って、こちらから詳しく掘り下げない限り、その人の本当のスキルは見えてこない」という方がとても多いです。

商品企画のキャリアアップ

商品企画は言うまでもなくスペシャリスト職です。上位職があるわけではありませんから、仕事の幅や量を増やし、商品作りの中に占める自分のウェイトを増やしていくことが、最大のキャリアアップです。

商品企画としてスキルが成熟した後は、これまでの経験を活かして、一番自分が行きたい企業への転職を目指す、という方が多いです。その一方、マネージャーとして、企画を考える側から、部下の出した企画を見て育てていく側にシフトする方も。

商品企画の企業選びのポイント

スキルアップ目的の転職では、その企業に転職することで「どこまで仕事の幅を広げられるのか」に着目することが重要です。商品企画の仕事領域は、企業により異なりますが、見極めが難しいかもしれません。

人事担当者が応募者の職歴書から仕事の幅を類推しづらいように、転職希望者側も、求人情報の定量的な情報からは、具体的にどこまで任せてもらえるのか、わかりにくいでしょう。少数精鋭の企業ほど幅広く携われるイメージがありますが、実際はそうとも限らず、逆に販促もリサーチも商品企画が兼務する体制の大手企業も存在するほど。このように、企業規模のような外見的な特徴も、仕事の幅を見る上では、あまり参考になりません。

そこで、記憶しておきたいのは、商品企画の仕事領域は、企業のポリシーや戦略によって決められている、ということ。例えば、商品企画とマーケティングの関係に限って言えば、通販化粧品のような「売れる商品をマーケットリサーチから逆算して考える」という場合は、マーケティング職の重要性が高いため、商品企画とは別にマーケティング職が居ることが多いです。一方、百貨店など、アイディアや想像(創造)力から商品を生み出す方針の企業では、前者ほどマーケティングに依存しないため、商品企画がマーケティングを兼務することが多いでしょう。

求人情報と各企業の戦略・方向性を併せて検証することで、応募の前段階から商品企画の仕事領域を類推することができます。加えて、人材紹介会社や企業のクチコミサイトを使い、事前に深い情報を収集しておくとベターです。

このほか、女性が大部分を占める職種ですから、産休・育休の取得実績や、時短勤務の実状、人間関係など…長く働ける職場かどうか、という軸も重要です。こちらも人材紹介会社を通じて事前に仕入れておくか、面接の時に、部門長に直接質問して、フィーリングを確かめておくと良いでしょう。

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