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- 百貨店化粧品(百貨店業界の規模・歴史・今後の展望)
解説 化粧品業界の販売チャネル
百貨店化粧品
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未経験から百貨店化粧品業界に転職するには…
百貨店化粧品の業界規模
2017年度、百貨店で流通した化粧品売上高は、3149億7400万円(昨対比116.9%)※。同年の化粧品業界全体の規模は3兆6350億円※なので、そうそうたるブランドが並ぶわりには、やや少なめな印象を受けます。これは、単純に百貨店の数よりも、バラエティコスメが流通するコンビニ・ドラッグストアの数の方が圧倒的に多いため。商品単価は高いものの、全体的な売上はバラエティコスメが牽引しているのが現状です。百貨店化粧品は、そのきらびやかな存在感で、業界全体のイメージ的な部分を牽引していると言えるでしょう。
※週刊粧業 第3095号(2018年1月1日)より
百貨店化粧品業界の歴史
1970年代まで、国内企業が百貨店での化粧品の売上げの多くを占めていましたが、70年代後半にCLINIQUEが上陸。カウンセリング販売やブランドイメージを前面に押し出した店舗設計など、現在の百貨店化粧品の販売スタイルを確立し、1980年代はCLINIQUE全盛期と言われていました。
その後、90年代はバブル景気も手伝って、海外輸入ブランドの大ブーム。人気を博したCLINIQUE、CHANEL、Parfums Christian Dior、CLALINS、ESTEE LAUDER、LANCOMEは4C1E1Lと呼ばれていました。また、この頃からメイクアップアーティストのブランドが人気となり、ブーム沈静後の現在も、RMKやM・A・C、BOBBI BROWN、NARSなど一部のアーティストブランドは根強い人気を誇っています。
このように順調な歩みを遂げてきた百貨店化粧品業界ですが、2000年代後半から2010年頃にかけては、リーマンショックと震災の影響で売上が一時的にダウン。ですが、「化粧品は不況知らずの業界」と言われるように、2011年度には早くも以前と同等の水準にまで回復しました。中でも、資生堂、CHANEL、Diorの百貨店化粧品トップスリーは、数%のプラス成長を遂げています。
その後、外国人観光客の増加に伴い、百貨店化粧品の売上げは堅調に推移。2013年から2017年の5年間で販売実績は1.4倍に増加しました※。
※週刊粧業 第3095号(2018年1月1日)より
百貨店化粧品業界の今後の展望
百貨店化粧品の成長は今後も続く見通しです。その理由の1つとなるのが、数年前から増加した外国人観光客によるインバウンド需要。特に中国人観光客からの需要は高く、国内百貨店化粧品各社は中国語(普通語)を話せる販売員の増員や、閉店後に観光ツアー客限定の営業時間を設けるといった施策を打つことで、業績増進に繋げています。
また、中国人観光客からのメイド・イン・ジャパン化粧品に対するニーズの高さも成長要因の一つです。国内ブランドだけでなく、外資系ブランドもこのニーズに乗って自社商品に「メイド・イン・ジャパン」と表記するため、海外にあった生産工場を日本国内に移転する動きも出始めています。
インバウンド需要は東京オリンピック後もしばらく続くとみられていますが、業界では外国人観光客に依存しない収益モデルの模索も進んでいます。男性向け化粧品や、より若年層向けの化粧品、年配向けの化粧品などがその例。ターゲットを広げながら商品ラインナップを増やす試みは、今後も続くでしょう。
また、長らく見られなかった大型の新規参入ブランドの台頭も、近年注目されているところです。特に下記の3ブランドの躍進ぶりはめざましいものがあります。
ポーラグループ
THREE
コーセー
ADDICTION
LVMHグループ
MAKE UP FOR EVER
中でも『MAKE UP FOR EVER』は、もともと舞台や映画業界で使われていたプロフェッショナルメイクのブランド。本来であればなかなか日常遣いの難しい、アバンギャルドなラインが特徴的なこのブランドの人気が出たのは、SNSやメディアの発展により、かつては単なる憧れの存在でしかなかった海外セレブスターたちが「模倣したいファッションアイコン」として受け止められるようになった、という消費者心理の変化に要因があると言われています。
このように、ネットの発展に伴って、化粧品業界にも大きな消費者心理の変革期が訪れています。
そうした変化に対応しながら、多くのブランドが目指すのは、まずはメイクアップ商品に興味を持ってもらうこと。そしてブランドのファンを増やしていくことで、最終的には長期的な使用が見込まれるスキンケアの購買層を増加させたいという狙いがあります。
『百貨店化粧品』の解説(全3回)
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