化粧品業界の職務経歴書の書き方 品質管理・品質保証編
化粧品業界で転職する際に必要な職務経歴書。ここでは品質管理と品質保証の職務経歴書の書き方およびポイントを解説していきます。
※このページでは職種別に職務経歴書の書き方を解説します。全ての職種に共通する、化粧品業界の職務経歴書の基本的な書き方は下記をご参照ください。
全職種共通・化粧品業界の職務経歴書の書き方
化粧品業界の品質管理・品質保証向け 職務経歴書テンプレート
Wordですぐ使える、品質管理・品質保証専用の職務経歴書テンプレートをご用意しました。下記のリンクよりダウンロードの上、ご活用下さい。
《品質管理・品質保証》職務経歴書サンプル(Wordファイル)
品質管理・品質保証の職務経歴書作成のポイント
職務経歴書のポイントは、品質管理と品質保証で異なります。
品質管理のポイント…「仕事の幅」と「製品の種類」と「仕事の速さ」
品質管理の職務経歴書では、どれだけ幅広く業務を担当したかという「仕事の幅」を伝えることが大切です。一通りの仕事に携わってきた人ほど高評価になりやすいため、できるだけ網羅的に書くことがポイントです。
加えて、取り扱った経験のある「製品の種類」も、わかりやすく伝えましょう。製品の種類は、扱ったものはすべて記載するようにし、特に応募する求人で求められている内容と一致するものは忘れずに書くこと。例えばスキンケアの液体とメイクの粉体とでは品質管理の方法も内容も大きく異なるため、求人内容との整合性が大切になるからです。
また、仕事の速さも大切な要素。1日でどれくらいのアイテム数をチェックできたか、スピーディさも問われるのが品質管理の職務経歴書です。
品質保証のポイント…「裁量の大きさ」と「攻めの姿勢」
品質保証の職務経歴書のポイントの1つは、トラブルに対して自分一人でどこまで対応したか…という「裁量の大きさ」です。どんな案件に対してどのように、どこまで対応し、円満解決を実現したのか…具体的に例を挙げて記すと伝わりやすいでしょう。
ポイントの2つめは、「攻めの姿勢」。品質保証は本来、問題が発生してから動く受身の仕事ですが、それではいつまで経ってもクレームは減りません。そもそも問題が起こらないようにするためには何が必要か…など、メーカーが持つリスクに対して事前に予防線を張ることができる人物ほど評価される傾向にあります。
ゴールのイメージは「この人に自社の品質保証を任せたらどんな問題が発生したときも安心だ」と思ってもらえるような内容です。
では、職務経歴書の中でこれらをどのように伝えて行くべきか。記入見本を元に解説していきます。
品質管理・品質保証の職務経歴書の書き方
品質管理・品質保証の【職務概要】の書き方
職務概要は、職務経歴書の最初にくる項目です。基本的には2~3行で、経験社数と年数とともに何の職種に従事してきたかという職種名(品質管理or品質保証)を明記しながら、これから記す職務経歴を簡単に要約します。
品質管理・品質保証の【職務経歴】欄1.勤めていた(いる)会社について
まずは、見本のように会社の規模と雇用形態を説明します。
・会社区分…株式公開について記載。東証一部、JASDAQ上場、非上場など
・事業内容…会社の主な事業内容を明記。
・資本金と従業員数…企業のホームページなどを確認し最新の正確なデータを記載
・雇用形態…正社員、契約社員、派遣、アルバイトなど
その後、配属先を明記。いつ、何と言う部署に配属されたのか。配属先が変更された場合は合わせて書きましょう。また、途中で昇格があった場合はアピールになります。見本のようにぜひ記載を。
品質管理・品質保証の【職務経歴】欄2.<主な担当業務>を書く
<主な担当業務>欄では、まず携わった商品を示しながら、自分の行った業務を一言で明記します。品質保証の場合、基本的には「自社化粧品に関する品質保証関連業務」とすればOKですが、品質管理の場合はもう一工夫が必要です。
品質管理の<主な担当業務欄>の書き方
品質管理の場合、<主な担当業務欄>で、ポイントの1つである製品の幅を示すことになります。「自社化粧品」とひとくくりにするのではなく、上記のように「自社化粧品(スキンケア・メイクアップ化粧品・ヘアケア商品)」というように、より細分化して記しましょう。幅広い商品に携わってきたことを伝えるのが狙いですから、商材の省略はしないこと。
その上で、見本のように担当ブランド名(名称と発売頻度)の明記も忘れずに。
扱ってきた製品の幅広さが大切と書きましたが、それよりも重要視されるのは、求人とあなたの経験とで商材が一致していること。それほど幅広い経験を積んでいなかったとしても、例えばスキンケアの品質管理の求人(もしくはスキンケアの品質管理経験が求められる求人)に応募する場合、スキンケアの品質管理経験さえ書かれていれば、有利になるでしょう。逆に言えば、幅広い経験を書く場合は、求人と合致する製品を一番最初に書くなど、埋もれないように注意しましょう。
品質管理・品質保証の【職務経歴】欄3.仕事内容を書く
<主な担当業務>で書いた内容を見出しとしてもう一度記載し、その下に具体的な仕事の内容を羅列していきます。ここでもやったことは全て書く、省略しない姿勢が大切です。
品質管理の仕事内容
品質管理職は、企業によっては派遣・パートが行う場合もある業務。そのためいかに責任ある立場で仕事をしてきたかを示すことが大切になります。「初回導入品の受入試験」や「製品標準書/作業指南書の作成」といった、正社員でなければ携わらないような業務を行っていたのであれば、しっかり書くことで高評価に繋がります。
品質保証の仕事内容
品質保証の場合、品質管理のように特定の製品を担当するわけではないため、担当してきた仕事内容をどこまで詳しくわかりやすく語れるかが鍵になります。特定の経験だけをピックアップせず、幅広さが伝わるよう箇条書きで経験業務を全て羅列します。
品質管理・品質保証の【職務経歴】欄4.<Topics>を書く
ここまでは端的に仕事の幅を記してきましたが、<Toipcs>欄では、そこでは伝えられなかった内容や微妙なニュアンスを文章で補います。<Topics>は特に品質保証で重要な項目です。
品質管理のTopics欄
品質管理のTopics欄は、他の候補者と差別化するための欄と割り切り、業務を行うにあたって自分なりに工夫している点や、ビジネスパーソンとして意識している姿勢などを記すと良いでしょう。
品質保証のTopics欄
品質保証の場合は、Topics欄で自身の裁量の大きさを伝えましょう。このとき、漠然とした話に終始するのではなく、実際にあったエピソードを添えると効果的。エピソードは誰が読んでもわかるよう、社外秘にあたる部分以外、できる限り細かく具体的に書きます。
例えば、「自社スキンケア商品に重大な副作用が見つかった際、早期に対策委員会を設置。マスコミ各社と消費者に対して謝罪文を迅速に出し、広報部と連携して記者会見をセッティング。想定される質問に対する返答スクリプトを準備した結果、事態を収束に向かわせることができた」。「商品に異物混入があったと消費者から連絡を受けた際、すぐに消費者と電話でお話しをし、その日のうちに直接相手を訪問し謝罪。翌日には中国の工場を訪問し、現地で原因究明にあたりました。帰国後はすぐに委員会で調査結果を報告し、再発防止策を立案の上、全社員に対して周知徹底を行いました」など。
問題の大きさと、それを一人でこんなにも迅速に解決したのだ、という両軸から、「頼りになる品質保証」というイメージを固めることが、高評価への近道です。
【職務実績】欄 ※品質保証のみ
職務実績欄は、職務上、達成することのできた実績を数字付きで記す項目です(例えば営業職であればノルマ達成率や売上など)。品質管理の場合は特に必要ありません。
品質保証の場合、明記すべきは、工場や研究所に来る査察に対応した実績です。査察対応した実績がある場合、それを明記することはもちろん、ここでも一人でどこまで対応したのかを具体的に記します。
もしも査察対応の経験がない場合は、無理に書く必要はありません。職務実績欄ごと削除してしまいましょう。
【資格】欄と【PCスキル】欄
品質管理・品質保証は、特に資格が問われることもなく、PCスキルもWord・Excel・PowerPointが基本的に使えればまず問題ありません。ですが、普通自動車免許は持っているなら書いておいた方がよいでしょう。業務で地方の工場を回る際など、何かと必要になる可能性があるからです。
【使用機器】欄 ※品質管理の場合のみ
品質管理の場合、業務上様々なツールを使用することから、「使ったことのある機器」を記載しておくことに大きな価値があります。【資格】【PCスキル】欄の前後にでも、【使用機器】という欄を作成し、使ったことのあるアナログツールや計測機器を全て列挙していきましょう。このとき、メーカーや年式の違いで使用方法・操作方法が大きく異なるような機材に関しては、メーカー名と製造年まで書いておくと親切です。
品質管理・品質保証の【自己PR】欄の書き方
自己PR欄は、ここまでの職務経歴書の内容を振り返りながら、「いかに自分が応募先企業にとって相応しい人材か」をアピールする部分。いわば職務経歴書の総まとめです。
これまでに書いた内容、すなわち「主な担当業務」や「Topics」でアピールした内容を再度強調するとともに、新たに次のような内容を盛り込むと効果的です。
品質管理の自己PR
品質管理の場合は、派遣社員やパートの取りまとめをしていた経験。特に自分と年の離れたスタッフとも円滑にコミュニケーションが取れていたことを書くと効果的です。
例:「所属部署のパート社員に対し、年齢関係なく(自分より30歳も上の、50代の…など具体的にしてもいい)指導教育をしてきました」
もしも上記のような経験がない場合は、自分が品質管理として優れている部分は何か、何をモットーとしていたか…をもう一度再考してみましょう。
品質保証の自己PR
品質保証の場合もコミュニケーションが重要です。問題発生時にも、関連する部署や外部と迅速かつ円滑に意見を交わすことができる、という印象を抱いてもらえるようなアピールを行いましょう。
例:「様々な部署の部長陣や取引先の役員と忌憚なく意見を交換し、改善策を練ってきました」
上記のように、社内外の多様な立場の人物とも円滑にコミュニケーションが取れるということを示すと良いでしょう。
加えて、問題を未然にふせぐための施策や、トラブル対応のマニュアル化など、非常事態が起きなくても自ら積極的に対策を講じた経験など、いわゆる“攻め”の業務を心がけていた人は、その主体性を軸にアピールしても効果的でしょう。企業が求めるのは、トラブルを人卒かつ円滑に収めてくれる上、問題そのものが起きないようにしてくれる品質保証。相手に求められていることは何なのかをしっかりイメージしながら書くことが大切です。
まとめ
品質管理・品質保証の職務経歴書で伝えるべきこと。それは、品質管理であれば「仕事の幅」と「製品の種類」と「仕事の速さ」。品質保証の場合は、「裁量の大きさ」と「攻めの姿勢」。加えてどちらの職種も、コミュニケーション力があることが評価の対象になってきます。
応募する企業が求めている人物像をしっかりイメージしながら、できるだけその像と合致するような内容を心がけることが大切です。
品質管理・品質保証とは
品質管理とは、発売前の化粧品の品質を適切に保つため、バルク(化粧品の中身)の検査や分析をはじめとするチェックを行う職種。品質保証は、発売後の商品の品質に責任を持つポジションで、生産工程のチェックや消費者クレームへの対応などを行います。
外資系企業では、品質管理はQC(クオリティコントロール)、品質保証はQA(クオリティアシュアランス)と呼ばれます。
一般には、品質管理からキャリアをスタートし、その後品質保証へステップアップするのが多いキャリアプランです。品質保証の中には、経験を活かして薬事へ再転身する人の姿も少なくありません。
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