化粧品業界の職務経歴書の書き方 トレーナー・インストラクター編

トレーナーイメージ化粧品業界で転職する際に必要な職務経歴書。今回はトレーナー・インストラクターの職務経歴書について解説します。

インストラクター経験を持っている人も、トレーナー経験を持っている人も、両方経験した人も、ケース別に職務経歴書の書き方をご説明します。なお、企業によってトレーナー・インストラクターの定義は様々ですが、このページでは店舗での接客OJTを行う職種をインストラクター、座学等の研修を行う職種をトレーナーとして解説していきます。

※このページでは職種別に職務経歴書の書き方を解説します。全ての職種に共通する、化粧品業界の職務経歴書の基本的な書き方は下記をご参照ください。
全職種共通・化粧品業界の職務経歴書の書き方

化粧品業界のトレーナー・インストラクター向け  職務経歴書テンプレート

Wordですぐ使える、トレーナー・インストラクター専用の職務経歴書テンプレートをご用意しました。下記のリンクよりダウンロードの上、ご活用下さい。

《トレーナー・インストラクター》職務経歴書サンプル(Wordファイル)

トレーナー・インストラクターの職務経歴書作成のポイント

トレーナー、インストラクターどちらにも共通することですが、職務経歴書は下記2点を明確に伝えることが基本となります。

・商材(メイクorスキンケア)
・教育対象者(ポジションと年齢層)

 「何を」「誰に」教えていたか。企業はあなたのキャリアの中でもまずこの2点に注目します。そして、自社の採用したいポジションにマッチしている人ほど、採用に至りやすいと言えるでしょう。逆に商材と教育対象者が違うと、これまでの経験を活かしづらいと判断されてしまう可能性があります。

スキンケアとメイクとでは、接客方法も、販売に必要な商品知識も大きく異なります。また、教える相手も、販売チャネルによって様々(百貨店は美容部員、一般流通は営業職、通販化粧品はコールセンタースタッフ)。教育対象者の年代によっても、接し方は変わってきます。(例えば、ティーンズ向けブランドの20歳の販売員とMLMの60代の会員さんに教育を行うのでは、勝手が違います)。

今まで経験したことのない商材や教育対象者にチャレンジしたい場合は、メイン業務だけでなくサブ業務までキャリアを洗い出してみたり、日々の業務や前職より前の経歴の中に応募する企業の業務に繋がるものがないか、じっくりキャリアを洗い出してみることから始めましょう。

では、商材と教育対象者の2点を中心に職務経歴書をどう組み立てていくか…記入見本を元に解説していきます。

トレーナー・インストラクターの職務経歴書の書き方

トレーナー・インストラクター_サンプル

トレーナー・インストラクターの職務経歴書見本(※クリックで拡大します)

 職務概要は、職務経歴書の最初にくる項目です。基本的には2~3行でこれから書く職務経歴の要約を記せばOKです。インストラクターまたはトレーナーとして何年経験を積んできたか、主にどんな業務を行ってきたかを簡潔にまとめると良いでしょう。

文章に自信がない人は箇条書きにしても構いません。

1.勤めていた(いる)会社について

トレーナー・インストラクター_職務経歴

職務経歴欄(職務経歴)の記入見本

まずは、見本のように会社の規模をひととおり説明します。

会社区分…株式公開について記載。東証一部、JASDAQ上場、非上場など
事業内容…会社の主な事業内容を明記。
資本金と従業員数…企業のホームページなどを確認し最新の正確なデータを記載
雇用形態…正社員、契約社員、派遣、アルバイトなど

その後、配属先を明記。いつ、何と言う部署に配属されたのか。配属先が変更された場合は合わせて書きましょう。また、途中で昇格があった場合はアピールになります。見本のようにぜひ記載を。

2.<主な担当業務>を書く

トレーナー・インストラクター_主な担当業務

職務経歴欄(主な担当業務)の記入見本

勤めていた会社と配属先について記載した後は、<主な担当業務>として、まずは商材と担当した業務の概要を書きましょう。「自社化粧品(スキンケアorメイクアップ化粧品)のインストラクター(orトレーナー)業務」とし、その後担当したブランド名を記します。

続いて、詳しい業務内容を箇条書きで記します。インストラクター兼トレーナーとして活躍していた場合は、それぞれトレーナーとインストラクターと、職務ごとに見出しを立てて、その下にそれぞれの業務を羅列すると見やすい職務経歴書になります。

このとき、必ず教育対象者が誰であったのかを記載すること。特に店長クラスへの教育を行った経験がある人は、他のスタッフとは分けて記載しておきましょう。アピールに繋がります。

インストラクター職に応募する場合のポイント

出張の頻度でタフさをアピール

出張の頻度が多かった人は、「出張頻度」などと見出しを立て、どのくらいのペースで出張していたか、主にどんなエリアをまわっていたかを書きましょう。あなたがこなしていた出張よりも応募先で想定される出張頻度が少なければ、「これだけの出張をこなすなんてタフな人材だ」と高く評価してもらえます。

記入例
出張頻度:1週間の4日程度。主に3泊4日で大阪・京都・広島・福岡の店舗を訪問

トレーナー経験はインストラクター職へ応募する場合も強みになる

インストラクターでありながらトレーナーの業務を兼任していた人は、トレーナーの職務経験も必ず記載しておきましょう。トレーナーの求人に応募する場合はもちろん、インストラクター職の求人に応募する場合であっても、プラス評価に繋がることが多いです。

但し、インストラクター求人に応募する場合は、あくまでインストラクターの経験を伝えることがメイン。アピールになるからとトレーナー経験ばかりスポットを当ててしまうと、応募する求人とマッチしない人物だと思われてしまいます。

接客も立派な職務経験のひとつ

インストラクターの場合、店舗でOJTを行っている都合上、自ら接客に立つこともあるでしょう。教育の一環として行っているものでも、キャリアを示す上では立派な経歴です。「繁忙時は自ら接客業務にも従事」などとして書き添えておくと良いでしょう。トレーナー、インストラクターのように1つの職務として、見出しを立てて記載するのも手です。

トレーナー求人に応募する場合ポイント

研修規模と職位(リーダー、スタッフ、アシスタント)を必ず明記する

トレーナーの業務は、トレーニング方針の構築や研修スケジュールの立案を担うリーダー、研修の実施を担うスタッフ、そして資料作成などスタッフを補佐するアシスタント…と、職位によって仕事内容も役割も異なるケースが多いため、必ずどんな役割のもとにどんな業務を担当していたか、明記しておきましょう。当然、アシスタントよりもスタッフ、スタッフよりもリーダーの経験者の方が熟練者と見なされます。

加えて、担当した研修の規模も記しておきましょう。少人数のロールプレイング研修が得意なのか、大人数の座学研修が得意なのか…あなたのトレーナーとしての実力を、企業がより詳細にイメージできるようになります。

イベント手伝いなど広報・PRとの仕事経験は評価対象に

職位や研修規模以外にも熟練度をはかるポイントがあります。それは、新製品発表会や百貨店の企画イベントなどで商品説明を勤めた経験です。公の場に駆り出されるのは、あなたの説明が巧みであると他部署から一目置かれていたからです。

プレス発表会にしろイベントにしろ、大切な場面で人前での説明を任されたというのは、一時的であるにせよ“会社の顔”という大役を任されたことに値します。大きな評価に繋がりますから、欠かさずに書きましょう。

トレーナー・インストラクター_主な担当業務2

職務経歴欄(主な担当業務)の記入見本

 

3.<Topics>を書く

トレーナー・インストラクターの職務経歴書では、人間関係に関する記述がとても大切です。

教育職という特性上、販売員をはじめ教員対象者からは敬遠されてしまうこともあるトレーナー・インストラクター。企業としては、トレーナー・インストラクターが人望を集めることや、教育対象者が気兼ねなくトレーナーやインストラクターに接せられることを望んでいます。そのため、普段あなたがどんな態度で何に気をつけて教育担当者に接してきたか、現場から信頼される関係性を構築するためにどのようなことを心がけていたか…といった内容を記す必要があります。

ですが、これらは担当業務欄には書きにくいものです。そこで、<Topics>欄を設け、詳しく記載するようにしましょう。「必ず1日に一度は全メンバーに対してフランクに話しかけるようにしていた」「ランチに同伴した」などメンバーストロークの方法まで記載すると良いでしょう。その上で、「結果的にメンバーからの信頼感を得ることができ、教育が全メンバーに行き届いたこともあって、これだけの売上アップを実現することができました」…といったまとめ方ができると理想的です。

トレーナー・インストラクター_topics

職務経歴欄(Topics)の記入見本

 

トレーナー求人に応募する場合は研修の企画立案経験がキモ

トレーナー求人に応募する場合のTopics欄は、上記に加え、研修内容の企画立案にどの程度関与していたかを伝えましょう。一から研修を作り上げたのか、既存の研修を多少アレンジしたことがあるだけなのかでは、評価は大きく変わります。「自分が入社したときには既に研修が整っていたから…」という人も、どんなに小さなものでも構いませんから、あなたが作ったといえる研修がないか、念入りに振り返ってみましょう。

トレーナー・インストラクター_topics_2

職務経歴欄(Topics_トレーナーの場合)の記入見本

4.【職務実績】欄

職務実績には、自分が教育を担当したブランド・商品の売上について記載しましょう。着任前と着任後で売上がどのくらい伸びたかまで書けるといっそう効果的です。

実績は、書くと不利になるようなものを書く必要はありません。ですが、アピールになる実績はすべて余さず書きましょう。

5.【資格】欄と【PCスキル】欄

トレーナー・インストラクターは、特に資格が問われる職種ではありません。仕事と無関係の資格を無理やり書く必要もなく、持っている人は自動車運転免許や語学系の資格を書くくらいでOKです。何もなければ「特になし」と書いても、評価に響くことはありません。

PCスキルも同様です。Wordやexcelなどをある程度使えればそれ以上を求められることはありません。但し、トレーナー職の場合は、研修資料の作成が日常業務になりますから、PowerPointの使用経験を問われることが多いでしょう。もしもトレーナー職に応募していながらPowerPointスキルに自信が無い人は、今のうちに練習しておくと良いかもしれません。

6.【自己PR】欄の書き方

自己PR欄は、ここまでの職務経歴書の内容を振り返りながら、「いかに自分が応募先企業にとって相応しい人材か」をアピールする部分です。

まず、これまでの経験を振り返りながら、一貫して行ってきたことが何なのかを明らかにします。加えて、業務の中で、自分ができるようになったこと、やれるようになったことを書きます。その上で、それらの中でも最も得意なことは何なのかを明示。あなたはトレーナー・インストラクターとして何のプロなのか、はっきりと印象付けましょう。その上で今後の意気込みを書けば、採用担当者の目に止まりやすい自己PRが完成します。

このとき、意識したいのは、応募する求人にマッチした人物である、と捉えられやすい書き方を心がけること。得意業務や行ってきたことといった取り上げる職務のチョイスはもちろんのこと、今後の意気込みも応募企業の方針から逸脱しないものであることが望まれます。

得意業務を書く際は、実績など具体的な数字を添えるとなお効果的。企業側に、あなたが入社することで、社員が良い方向に変わり、売上が増加しそうだ…というイメージを抱かせられればベストです。

トレーナー・インストラクター_自己PR

職務経歴欄(自己PR)の記入見本

まとめ

トレーナー・インストラクターの職務経歴書のポイントは

・商材は何で教育対象者は誰か
・教育対象者に対してどう接したか
・その結果どのような実績を生み出したか

をはっきりと伝えること。その上で、インストラクターであれば接客経験やトレーナー兼務経験で業務の幅を、トレーナーであれば職位や百貨店イベント等への出席経験で熟練度を伝えると効果的です。

トレーナー・インストラクターとは

化粧品業界のトレーナー・インストラクターとは、スタッフの教育を担うポジションの総称。本社に勤務し座学や研修によって社員教育を行うトレーナーと、担当エリアの店舗を直接訪問しOJTで研修を行うインストラクターに分かれます。いずれも、商品知識や接客スキルの底上げを図り、売上アップに大きく貢献することが目的です。

※企業によっては、トレーナーを店舗でのOJT役、インストラクターを研修担当と呼ぶ場合もあります。

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