化粧品業界の職務経歴書の書き方 広報・PR

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化粧品業界で転職する際に必要となる職務経歴書。今回は広報・PRの職務経歴書の書き方とポイントを解説します。

※このページでは職種別に職務経歴書の書き方を解説します。全ての職種に共通する、化粧品業界の職務経歴書の基本的な書き方は下記をご参照ください。
全職種共通・化粧品業界の職務経歴書の書き方

化粧品業界の広報・PR向け 職務経歴書テンプレート

Wordですぐ使える、広報・PR専用の職務経歴書テンプレートをご用意しました。下記のリンクよりダウンロードの上、ご活用下さい。

《広報・PR》職務経歴書サンプル(Wordファイル)

広報・PRの職務経歴書作成のポイント

広報・PRは、化粧品の露出をいかに最大化できるかがミッション。この人に任せれば、自社の商品露出が増えそうだ…そう思わせられるかどうかが、広報・PRの職務経歴書の分かれ目です。

そのためには、担当したブランド名とその実績を明らかにするだけでは足りません。実績を生み出すプロセス、即ち、あなたの広報としての能力の高さを具体的に伝える必要があります。どれだけ影響力のある人々と繋がっているか、広報・PRとしてどれくらいの量の仕事を受け持ってきたをいかに伝えられるかが、広報・PRの職務経歴書の分かれ目となります。

化粧品業界の広報・PRが職務経歴書で評価されるポイント

化粧品業界の広報・PRが職務経歴書で評価されるポイントは、次の2つです。

1.業務の幅とボリューム感
2.実績(媒体掲載実績と、売上に貢献した実績)

2つめの実績は、売上がどれほどアップしたか、だけでなく、媒体掲載実績がキモ。媒体掲載実績が多ければ多いほど、また影響力の高い媒体社や著名人が書かれているほど、あなたの広報としてのコネクションの幅を示せます。雑誌の出版社とその編集長、美容ライター・美容家、有名タレントなど…商品露出に対して影響力のある人々とどれだけやりとりをしてきたか…まずは洗い出すところから始めましょう。

また、全体の業務量を伝えることも大切です。広報・PRの仕事は多少の差こそあれ、企業ごとに業務内容が大きく変わるものではありません。従って、業務の幅広さを伝えることに加え、それらをどれくらいのボリュームで受け持ってきたかもはっきりと伝えましょう。

ボリューム感という意味では、仕事にどれだけ深く関わったかという点も大切です。広報・PRの大切な仕事の1つに、新製品発表会やPRイベントの企画・運営があります。主担当で関わったイベントに関しては、仕事の深さを伝えるチャンスとなりますから、忘れずに書くようにしましょう。

上記をまとめると、まず広報・PRとしてのコネクションの多さと業務の幅・量を示した上で、それらが実を結んだ結果=実績を書きます。では、これらを具体的に盛り込んだ職務経歴欄の書き方を見ていきましょう。

広報・PRの職務経歴書 見本

広告・PRの職務経歴書見本

広告・PRの職務経歴書見本(※クリックすると拡大します)

広報・PRの職務経歴書「職務経歴」欄の書き方

まずは「どんな会社」の「どんなブランド」を担当していたかを明確に

仕事の幅やコネクションについて言及する前に、まずは前提として、会社概要を明記しましょう。明記する内容は、会社区分(株式公開について記載。東証一部、JASDAQ上場、非上場など)、事業内容、資本金、従業員数、雇用形態、所属部署およびその構成、職位の7項目。

そして、それらの下に<主な担当業務>として、あなたが主に行っていた業務内容と担当ブランドと販売サイクル(年何回発売されているか)を記しましょう。業務内容は後で詳しく記すため、「自社化粧品(商品の種類)のPR」などとしておけば大丈夫です。

職歴見本

職務経歴欄(勤めていた会社)の記入見本

1.業務の幅とボリューム感

<主な担当業務>で書いた担当ブランド名の下に、「自社化粧品(化粧品の種類)のPR」という見出しを立て、あなたがこの会社で行った広報・PRとしての仕事を羅列します。どんなに小さなことも書けばプラスになりますから、省略せず書ききりましょう。仕事の「幅」を見やすくアピールするには、箇条書きが最適です。

自社化粧品のPR記入見本

「自社化粧品のPR」の記入見本

広報以外の仕事も兼任していた場合は「自社化粧品(化粧品の種類)のPR」とは別に書く

一部の大手企業を除いて、大半の会社では広告宣伝が本来行うべき仕事も広報がスポットで担当する場合も。CMプランニングや純広告の作成、サイト制作など…業務経験がある場合は、「自主化粧品のPR」とは別に見出しを立て、ぜひとも書いておきましょう。

TV広告宣伝関連業務の記入見本

<TV広告宣伝関連業務>の記入見本

Web関連業務の記入見本

<Web関連業務>の記入見本

<Topics>欄の書き方

特にアピールしたいことや説明が必要なことは、下に<Topics>という欄を設け、詳しく書くとベターです。但し、内容は長くても2~3行。職務経歴欄の内容を補足する範囲で簡潔に記しましょう。

特にこれといってアピールすることがない場合は、ぜひとも「自分のコスメに対するこだわり」を記しましょう。広報・PRに多くの企業側が求めるのは、やはりコスメ好きであること。

「仕事以外でも必ず週一で女性誌の編集長とお会いして、関係構築をしています」「お付き合いのある美容ブロガーのパーティには必ず参加しています」「美容三誌(『美的』『VOCE』『MAQUIA』)は毎月必ず購入し、生地のクリッピングをしています」「毎月●万円は化粧品の新商品を購入に充て、競合のリサーチを行っています」など…オンオフ問わず、どれだけこの仕事に直結するインプットを行っているか。具体例を挙げて記しましょう。

2.実績(媒体掲載実績と、売上に貢献した実績)

広報・PRが伝えねばならない実績とは、どんな媒体にどれくらい掲載されたかを示す媒体掲載実績と、広報活動を行った結果売上が何%伸びたのか…売上に貢献した実績の2つです。【職務実績】という欄を設けた上で、2つを分けて記載しましょう。

媒体掲載実績の書き方

媒体掲載実績は、あなたが関係各所にどれだけのコネクションと影響力を持っているかを表します。書き方は、「■媒体掲載実績」という見出しを立てて、その下に箇条書きです。

予算を掛けずにどれだけ商品の良質な露出を増やすことができるかが問われるこの職種。企業にとって、媒体掲載実績はあなたの広報力そのものを示すと言っても過言ではありません。

ですから、どんなに小さな掲載枠も省略せず、1つ残らず箇条書きしていきましょう。雑誌の記事、テレビ番組の特集欄、コスメサイトのランキング、美容ブロガーのブログ、有名人のSNSやメディア上での発言など…。どんなに多くなっても構いません。多い人では、A4の紙の半分以上を掲載実績が占める…という場合もあります。ぜひ、あなたの努力が生んだ結果の全てを出し切りましょう。

<媒体掲載実績>の記入見本

<媒体掲載実績>の記入見本

雑誌やwebサイトは実名で。但しタレント・美容家の名前出しはマナー違反

媒体掲載実績に触れる際、美容雑誌やwebサイト、ブログサイトなら実名を出して書きましょう。但し、タレントや事務所に所属している美容家などの名称を書く際は、マナー違反と思われることもあるため注意が必要です。

売上に貢献した実績の書き方

あなたがPRを担当した商品の売上がどれくらい上がったか。「■売上に貢献した実績」という見出しを立てて、自分の手がけた広報・PRで何%売上を伸ばすことができたのかを、箇条書きで記しましょう。入れる数字は具体的かつ正確に。

売上金額だけでなく、出荷数ももちろん評価対象になる数字です。成功を収めたプロダクトに関しては出し惜しみせず明記するように心がけましょう。なお、今ひとつ売上アップが見られなかった商品など、書くことで却って不利になってしまう実績は省略して構いません。

<売り上げに貢献した実績>の記入見本

<売り上げに貢献した実績>の記入見本

広報・PRの「PCスキル」欄の書き方

PCスキルはword・Excel・PowerPointを中心にどこまでできるかも書く

広報・PRの場合、そこまで専門的なものを求められるわけではありません。目安として、下記程度の習熟度があれば及第点となるでしょう。

・Word 文章作成レベル
・Excel 関数レベル
・Power point 企画書作成レベル

PCスキルを書く際は、使えるソフト名を書くだけではなく、上記のようにどのレベルまで使えるかも併記しておきましょう。

広報・PRの「自己PR」欄の書き方

自己PR欄では、どの会社も広報・PRを採用する際に重視したいと考える下記要素を伝えることに注力しましょう。

1.コネクションの多さ
  媒体社や著名人とのパイプの多さ・深さ
2.コミュニケーション力(信頼構築力)
  対面・メール・電話でのやりとり、新たな関係構築にどれほど優れているか
3.フットワークの軽さ
  コネクションの開拓力とそれを可能にするストレス耐性

但し、ここで意識したいのは、それぞれをただ無根拠にアピールするのではなく、「私はコネクションの多さに自信があります。なぜなら媒体掲載実績に書いたように…」と、これまでに書き出してきた実績(媒体掲載実績や売上に貢献した実績など)を具体例として用いること。

自己PR欄は、職務経歴書の大切な締め。元来、【職務経歴】欄や【職務実績】の内容を振り返ってアピールを強めるための欄ですから、今まで伝えてきた内容を根拠にアピールを行うことで、抜群の説得力が生まれます。

例文のように、広報・PRに重要なコネクションの多さ、コミュニケーション力、フットワークの軽さ…と3つ見出しを立てて、それぞれを個別に掘り下げていっても良いでしょう。

【社内外を問わない人脈の広さ】

約3年間にわたるPR経験で、数多くの雑誌媒体の編集者やライターとの人脈を築くことができました。社内における連携にも注力しており、商品開発担当と密にコミュニケーションをとっては商品特性をしっかり把握し、ターゲットに合わせた広告内容や雑誌媒体の選定に努めていました。

【コミュニケーション力】

人見知りではない性格も幸いし、人との繋がりを自ら作っていくことを得意としております。お付き合いのない美容家の方や著名人の方に対して積極的にアプローチを行い、自社の商品を知ってもらえる機会を増やしておりました。結果、実際に商品を気に入ってもらいブログや雑誌などで商品を紹介していただくことも多々ありました。

【フットワークの軽さ】

商品を取り上げてもらう機会や頻度を増やすためにできることは、なんでもいち早く取り組むことを心がけていました。自社内に情報が足りないと思った際は、他社のPR担当者にも積極的に声をかけ、情報交換に努めておりました。付き合いのない媒体であっても物怖じせずに商品をPRしていく姿勢が、媒体掲載実績の高さに繋がったのだと考えております。

ここまで詳しく書けないな…という場合も、大切なのは長さではなく、具体例を挙げること。繋げて文章にすることが難しい場合は箇条書きを盛り込むなど、柔軟に捉えて臨みましょう。

まとめ

以上が広報・PRの職務経歴書の書き方です。
ポイントは、次の2点。

1.業務の幅とボリューム感
2.実績(媒体掲載実績と、売上に貢献した実績)

どれくらいの幅・深さの仕事を手がけ、その結果どんな実績を出すことができたのか。実績は、担当化粧品の露出度に直結する媒体掲載実績(著名人の発言やブログ内での言及を含む)と、売上に貢献した実績の2軸から表されます。

とはいえ、広報・PRの応募者にもっとも期待されるのは、コネクションの数(及びコネクションをさらに広げていける開拓力と信頼構築力)。「この人を採用すれば、当社の製品はきっとこう露出を増やすことができるな…」とイメージを膨らませてもらえるような職務経歴書を完成させましょう。

広報・PRとは…

自社商品の媒体露出を高め、知名度を上げる上で欠かせないポジション。といっても、広告宣伝のような広告物、販促の扱う店頭販促物のような「予算を掛けて露出を高める」のではありません。編集社での実商品を用いたキャラバン(プレゼン)、コネクションを活かした著名人との接触などを通じ、雑誌やテレビといったメディアや美容ブログ、タレント・著名人の発言などに取り上げてもらえるよう奔走します。

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