5分でわかる、各職種の転職術
マーケティング職の転職

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「もっと仕事の幅を広げたい」「憧れのブランド・会社に挑戦したい」

『マーケティング職』とは、
調査データを可視化する仕事。

商品企画や営業部の「こんなデータが欲しい」という求めに応じ、アンケートなどの数値や消費者へのインタビュー結果といった社内の膨大な情報を分析。各部門が扱いやすい詳細な資料にまとめ上げることがメイン業務。
通販化粧品業界で盛んな職種で、百貨店やバラエティコスメ等の企業では、商品企画によって兼任されている場合が多い。男女比は5対5ほど。

マーケティング職の求人数

マーケティング職の求人数はいつの時代もそれほど多いとは言えません。募集背景も欠員補充がほとんどです。理由は、マーケティングを専門とした部署を持つ企業がごく一部に限られるからです。

百貨店化粧品では、数値分析や市場動向よりも世界観やイメージ戦略が優先され、マーケティングに比重が置かれるケース自体多くありませんでした。マーケティング職が台頭しはじめたのは、1980年代後半。テレビショッピングやDMなどを駆使したダイレクトマーケティング型の通販ビジネスが発達し始めてからといえるでしょう。実際、(商品企画と兼務ではない)マーケティング職の求人の7~8割は、通販化粧品の会社が占めています。

現在は通販ビジネスの成長に伴い求人数が増加傾向。マーケティング専門部署を置く一部の百貨店化粧品やバラエティコスメでも募集が行われています。消費者心理を重視する企業にとって、マーケティング職はなくてはならない存在。今後も爆発的に求人が増加することこそないものの、減少に転じることはないと言えるでしょう。

マーケティング職の転職 こんなスキルがあると有利

データ抽出に欠かせないPCスキルは、言うまでもなく必須事項。アクセスを使いこなせることはもちろん、中級レベル以上のエクセルスキル(マクロ・ピボットテーブル、計算式、VLOOKUP関数などが使用できるくらい)は最低限求められる場合が多いです。こうしたスキルを元に、精確かつ迅速に依頼に応じたデータを用意できることが第一条件。

加えて、自発的にデータを解析し、他部門に対して積極的に提案を行う“発信型”の人物は、評価されやすい傾向にあります。多くの企業で重視する経験年数は、2~3年以上。但し、マーケティング職専任の経験が問われる場合が多いため、例えば商品企画でマーケティングを兼務していた人が応募した場合には、かなりの苦戦が予想されます。

マーケティング職の履歴書や職務経歴書、
面接時に工夫すると差がつくポイント

上で説明したPCスキルは、例えばエクセルなら「中級程度」とするのではなく、ピボットテーブルやマクロなど…どこまでできるかを記しましょう。具体的なスキルが書かれていないと企業があなたの実力を判断できなくなってしまいます。

最も差が付くポイントは、上記2つめの「自分から他部門に働きかけた仕事」を実例付きで伝えること。応募書類や面接では、「何のデータからどのような発見をし、いかなる提案をしたのか。そしてその結果、どのような実績を得られたのか」など、相手が具体的にイメージできるよう、段階を踏んで伝えると効果的です。

また、面接時の表情やコミュニケーション力も実は重要なポイントです。数字とにらめっこすることの多い仕事ですが、他部門から「依頼しづらい」と思われるほどピリピリした印象なのは考えもの。愛想良く、感じの良い受け答えで、「一緒に仕事しやすそうだ」と思われるような受け答えを心がけましょう。

マーケティング職のキャリアアップ

キャリアアップを目指す多くのマーケティング職は、依頼された仕事を的確にこなせるようになって一人前。しかしマネージャークラスへの昇格を目指すには、常に何らかの疑問を持ち、自らデータを解析し、他部門に提案を行いながら、視野と仕事の幅を広げていくことが重要です。データを扱うこのポジションは、他の職種よりも会社全体の状況を見渡せる立場にあります。そのため、スタンス次第では、いくらでも事業の根幹に携われるのが、この仕事の魅力。

実際、化粧品業界の社長や経営層、起業家には、マーケティング職出身者が少なくありません。最初は商品企画部へ、やがては経営層へ…データという“根拠”を武器にどれだけ会社への貢献度を高めていけるかが、キャリアアップのポイントです。

マーケティング職の企業選びのポイント

マーケティング職の転職理由に多いのは、次の3つと言われます。

  1. 「仕事の幅を広げたい」「もっと深く仕事をしたい」というケース

    1人で数十の商品を担当するより、特定のブランドに絞ってより深く消費者心理を掘り下げながら、モノづくりや売り方の提案まで…自分の関われる仕事の範囲を広げていきたいというケースです。

  2. 大きな会社や憧れのブランドに移りたいというケース
  3. 逆に「仕事の幅を減らしたい」「もっとゆったり働きたい」というケース

    キャリアアップを目指してバリバリ頑張ることに疲れたり、プライベートを優先したい場合に、与えられた仕事を黙々とこなしたいと考えるケースです。

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1つめの「仕事の幅を広げたい・もっと深く仕事をしたい」場合には、特定のブランドに集中できる百貨店化粧品のマーケティング部門を目指すと良いでしょう。但し、通販系のマーケティング職の場合、百貨店系への転職は困難。その場合は通販系の会社の中で、明確な主力商品・ブランドを持つ企業を探すことがポイントとなるでしょう。

2つめの「大きな会社や憧れのブランドに移りたい」という場合。経験さえあればこの転職はそれほど難しいものではありません。

3つめの「仕事の幅を減らしたい」「もっとゆったり働きたい」については、他の2つと比べ、少し見極めが難しいでしょう。というのも、マーケティング部門の仕事量・繁忙さは、他部門の状況、会社全体の残業量に直結するため。依頼を出す部署が夜遅くまで働いていれば、それに引っ張られるように残業は増えてしまいます。
このため、残業や業務の量を減らすには、様々な企業の社風に着目し、「ワークライフバランスを重視する環境」「無駄な残業に否定的な風土」の会社を見つけることが近道となります。但し、表だってこうした社風を明示している企業はごく一握り。現実的には、その企業で働く人の話を聞くまでわからないことが多いため、別の会社で働く知人を頼ったり、紹介会社を利用するなどして、求人情報やホームページにないリアルな職場の情報を収集することがポイントです。

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