5分でわかる、各職種の転職術
美容部員の転職

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『美容部員』とは、
化粧品の販売を行う職種。

美容部員は、店舗に勤務し、顧客相手に化粧品のカウンセリング販売やタッチアップ(メイクサービス)、発注業務・在庫管理などを行います。
店舗の多角化に伴い、百貨店のみならず、ファッションビルやGMS、路面店など…活躍の場が広がっている。女性比率は、ほぼ100%。

※ここでは美容部員の経験者が正社員の求人に転職することを前提として、解説を進めます。

美容部員の求人数

美容部員の正社員求人は、常に求人数が多い傾向にあります。女性がほとんどを占める職種のため、結婚や出産、ご主人の転勤に伴う転居、立ち仕事による体力的な限界などによって、職場を去る人が必ず出るからです。

もともと化粧品業界自体、景気に左右されにくい上、美容部員は企業ニーズよりもなり手が少ない人手不足の状態が続いています。加えて近年では、渋谷の再開発や、銀座・新宿・日本橋を初めとする都心部の大型商業施設のオープンラッシュが続きます。美容部員の求人は、今後ますます増えていくことでしょう。

美容部員の募集背景

  • 欠員補充
  • 新規店舗のオープンに伴う募集

あくまで人手不足という事情があるため、企業側としては、多少経験が浅くても育てることを前提に、積極的な採用活動を行っています。

美容部員の転職 こんなスキルがあると有利

美容部員はどこのメーカーも人手不足という現状がありますから、採用の難易度自体、他の職種に比べれば低めです。マネジメント経験がある人ならかなり有利に転職できますし、ない人も、スキンケアの知識(研修で習う程度の肌理論や美容知識)と実務経験さえあれば、そこまで苦戦せずに転職先が見つかるでしょう。

但し、都心の店舗や人気店、旗艦店への配属を目指すのなら話は別。これらの店舗には化粧品に対して目の肥えた、要求の高い顧客が訪れるため、メイクアップの実技レベルの高さや幅広い顧客に対して接客してきた経験が問われます。

なお、企業にもよりますが、メイクアップの実技レベルは実技テストで、スキンケアの経験の豊富さはこれまでの職歴(勤務した店舗)と経験年数の多さで計られることが多いでしょう。

美容部員の履歴書や職務経歴書、面接時に工夫すると差がつくポイント

履歴書・職務経歴書

美容部員が履歴書・職務経歴書などの応募書類で伝えるべきは、どんな環境で働き、そこでどれだけの実績を挙げてきたか。より具体的にお伝えすると、次の3点を明示することです。

  • どんな会社に、どれくらいの期間在籍したか。
  • そこではどんなブランドの、どこの店舗で、どのような業務にあたっていたか。
  • その結果どんな実績を得られたのか。

この3つさえしっかり伝われば、巷の転職本に書かれているような内容ほど時間をかける必要はありません。

面接

面接では、主に、自分の経験・転職理由/志望動機を話すことになります。美容部員の場合、無理して自分を売り込もうとしなくても、これまでの経験をしっかり整理して話すことができれば問題ありません。

悩むのは転職理由ですが、人間関係や給与・評価に対する不満を抱えて転職する場合、それが解決できる求人に応募しているわけですから、「給与に不満があって」「今の職場はマネジメント層が飽和状態でこれ以上キャリアアップが見込めなくて」など、ある程度正直に話してしまっても良いでしょう。

その代わり、気をつけなければならないのは、「将来何を目指していますか?」という質問が来た場合。この質問は比較的多くの企業が行っているものですが、必ず美容部員としてどうなりたいかを答えましょう。つまり、「店長を目指します」「新宿伊勢丹で勤務できるよう精進します」「売上ナンバーワンを目指します」といった内容です。

「将来的には商品企画やPRに行きたいと思っています」「本社勤務を目指します」といった回答は絶対にNGです。なぜなら、ゆくゆくは他の職種へ…という人は、採用しても異動できなければ辞めてしまう可能性が高いからです。現実問題、美容部員からこれらのポジションに行けるのは、数百人に一人という狭き門。せっかく採用してもかなりの確率で退職されることが予想されるのでは、企業側は採用に踏み切れません。

そもそも、企業側が欲しているのは美容部員として活躍してくれる人。仮に他の職種を目指しているとしても、本音はグッと胸に秘め、店舗で美容部員として働き続ける上での目標を伝えましょう。

筆記試験

美容部員の場合、通常の面接以外に、スキンケアや美容理論に関する筆記試験が行われる場合があります。それほど高度な問題が出るわけではなく、経験者であれば容易に解ける基礎的な内容ですが、念のためマニュアルや研修資料等を読み返しておきましょう。

美容部員のキャリアアップ

美容部員のキャリアアップは、売上成績や接客スキルを伸ばし、マネジメント職や店長職に就く、もしくは新宿伊勢丹や銀座三越、各企業の旗艦店といった最重要店舗への配属を目指すことが一般的です。

商品企画やPR、トレーナー・インストラクターといった他職種へのキャリアチェンジも不可能ではありませんが、実際に店舗から本社勤務に変わる上では、英語力(外資系の場合)やビジネスマナー、PCスキルといった様々な壁にぶつかることに。キャリアチェンジできるのはごく一握りの人のみで、実現するためにはかなりの努力が必要です。特に商品企画やPRの場合は、いっそう難易度が上がります。

美容部員の企業選びのポイント

まず、嫌いなブランドは選択肢から外しましょう。美容部員としては、自分が良いと思っている商品を顧客に勧める方が、モチベーションも上がります。できるだけ自分の好きなブランドから、いかに自分の希望条件に合うところを探すかが重要です。

給与に不満があって転職するのなら、最低限、今よりも給与が高くもらえそうな企業を探すべきですし、キャリアアップの望みが薄いことを理由に転職するのなら、ポストが多く空いている企業を見定める必要があります。できるだけ時間をかけて、たくさんの求人を見ることに加え、一件一件、注意深く見定めていきましょう。

給与を比較する上では、転職してすぐにもらえる金額だけでなく、できれば「年に何回、どれくらい昇給するのか」という入社後の昇給イメージも掴んでおきたいところです。こうした情報はネットの求人情報には出ていないため、人材紹介会社から直接情報提供を受けるのが良いでしょう。

美容部員の転職は、退職時期に注意

美容部員は人手不足。そのため内定を得やすい一方で、なかなか辞められないという実情があります。特にシフトが決まってから退職するのは至難の業。とはいえ、先に退職してから転職先を探すのは、経済的にあまりオススメできるものではありません。

できるだけ早くから転職活動を開始して、次のシフトが出る前に内定を獲得、職場に退職する旨を伝えることが理想的。シフトが出るタイミングなどから逆算して、計画的な転職活動を行いましょう。人材紹介会社を利用している場合は、「シフトが出る○月○日頃までには転職先を見つけたい」など、事情を伝えることで、応募先企業の選考期間を短くするなど、様々な調整を行ってくれます。ぜひ上手く活用してみて下さいね。

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